年齢を重ねてもなお尽きることのない知的好奇心、たぎる情熱


 「余命3年」の宣告を受け、80歳で大学院入学

先日、80歳の女性が18歳のお孫さんと一緒に同志社大学に入学したというニュースが話題になりました。「何かを学ぶのに遅すぎることはない」という諺を体現している阪田美枝さん。同志社大学大学院総合政策科学研究科で学ぶのは、「作業唄」の文化だそうです。

 

阪田さんは、同志社女子中学、高校を経て、1961年同志社大学文学部社会学科社会福祉学専攻を卒業。京都ホテルに入社し、人事部・社長秘書等を経て、1963年から平成12年春まで同志社女子大学図書館司書、音楽学科研究室、日本語日本文学科研究室(事務主任)などに勤務。

 

長唄の師匠を母に京都で育った美枝さんは、幼少の頃から「日本の心」に強い関心を抱いていたそう。

 

日本の伝統産業で唄い継がれてきた作業唄を調べるうち、さらなる「日本の心」を追い求めて、絶やしてはならないという思いが芽生えたといいます。

 

 

大学の職員であった1990年代に、消滅の危機にある紙漉き唄の収集に着手。息子さんの運転で全国の紙漉きの里を訪ね、紙漉き唄を収録。東北から沖縄まで200本を越えるカセットに収録された86曲が4枚のCDに編集され、解説、採譜、和紙のサンプルつきで平成4(1992)年「日本の紙漉き唄」として1992年に発売されました。

 

この出版がきっかけとなり、日本酒を作るときに杜氏が歌う「酒造り唄」酒造り唄もまた同じ消滅の危機にあることを知り、「何とか酒造り唄を残したい」と全国での調査を開始。最初は、「無理だ」と言われた酒造り唄の採集を4年の歳月をかけて全国の400名以上の杜氏や関係者への取材。平成11(1999)年『定本 日本の酒造り唄』を上梓されました。

 

その後、12年間をかけ平成23(2011)年「―日本の心―2000年紀『和紙總鑑』全12巻」を刊行。平成25(2013)年春には英国で初めての「和紙展覧会」開催にも尽力。

 

報道されているニュースによると、

「昨年春、阪田さんのCDを偶然に知ったジャズピアニスト山下洋輔さんが「(作業唄は)日本の文化の原点」と高く評価したことで、「もっと深く掘り下げなければ」と、大学院での研究を志すきっかけになった。その直後にステージ4の大腸がんと診断され、余命3年との宣告を受けたことも背中を押した」とのこと。

 

阪田さんは、「大学院の2年間でなんとか形に残さなければ」と、抗がん剤の治療を続けながら猛勉強。その結果、筆記と面接試験を経て見事合格。偶然にもお孫さんも同大学への進学が決まり、同じキャンパスで学ぶことになったことも注目されました。

 

入学に際し、「ワクワクドキドキ」「幸せな人生」と笑顔を見せる阪田さん。

 

「私のビデオにとってきた資料しか、もう世界に残っていない。皆さん天国にいってしまって、数人しか(作業唄)を唄える人がいないので、ぜひとも日本の文化を伝えたい」(阪田さん)

 

作業唄…仕事をしながら,その作業のリズムを保って能率をあげ,あるいは単調な作業から気をまぎらし士気を鼓舞するために歌う作業歌。集団で作業を行うとき,音頭とりが声を発して一同がそれに応えるような交互唱の形で,リズミカルに歌うことによって作業の手をそろえるのが典型。引用元:コトバンク

人生を豊かにするための学ぶミドル世代

 

大学、大学院で学ぶまでいかないけれど、年齢を重ねても学習意欲を持ち続ける人は多いようです。

 

ソニー生命保険が2018年11月に発表した「シニアの生活意識調査2018」によると

50~70代の3人に1人は、「学び直しをしたい」と回答。

 

学び直したい人たちが「学びたいこと」TOP10は、以下の通り。

*いずれも女性のみの回答

 

・語学 53.3%

・パソコン・インターネット 28.4%

・音楽 27.8%

・歴史 27.2%

・健康 27.2%

・料理 23.7%

・伝統芸能(華道・茶道・書道など)23.1%

・美術 21.9%

・文学 12.4%

・プログラミング 4.7%

 

学習したいことの1位「語学」は、いつの時代も習得したいことの上位に挙げられますが、今は特に2020年の東京オリンピックで、ボランティアとして語学を活かしたいという気持ちが特に強く表れているのでしょう。また、音楽、歴史も3割程度になっていますが、若いときには習得できなかった、あるいは理解しきれなかったことが年齢を重ねた今、「●」理解が深まったことで、再び興味を持つ人が多いようです。

 

学び直しをしたい理由は、「教養・趣味のため」

*いずれも女性のみの回答

 

・教養を高めたいから                                 55.6%

・趣味を深めたいから                                 52.7%

・自分に自信をつけたいから                      30.8%

・空いている時間を有効に使いたいから     25.4%

・現在の仕事に役立つから                            12.4%

・今後の暮らしに必要だと思うから            17.8%

・定年後の再就職に役立つから                   9.5%

・友人を作りたいから                                 10.1%

・転職に役立つから                                    7.7%

・資格を取得したいから                             8.3%

 

「教養を高めたい」「趣味を深めたい」が5割を超えており、「何かに生かしたい」というより、人生をより豊かに過ごすために学びたいと考える人が多いのがわかります。

 

人生100年の時代でいえば、50歳はまだやっと半分。とはいえ、時間は刻一刻と過ぎていきます。

 

やろうかどうかを迷っている時間がもったない!

 

「いつか」と先延ばしにしてきた、自分との約束を「今」、果たしませんか?

 

<参考文献>

「日本の心」を追い求めて – DOORS(同志社大学図書館)

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