◆器用さを活かして、ハンドメイド作品を販売していた専業主婦時代
-学生の頃も、メイクやおしゃれには、それほど関心はなかったそうですが、ジェルネイルとの出会いについて教えてください。
まだ子どもが小さい時に友だちがサロンに連れていってくれました。ジェルを爪に塗って専用ライトで硬化させるネイルは、乾くのを待たずに触れることができる。「今、こんなネイルがあるんだ!」と驚きました。でも、それですぐにネイリストになりたいと思ったわけではなかったんです。
それから数年間、ネイルのことは考えることなく、子どもが幼稚園に入ると、ハンドメイドの洋服作りにはまりました。手作りが好きな仲良しママ友と一緒に布地を買って、赤ちゃん用の前掛けやスカートなどを作り、ハンドメイドのマーケットに出店していました。自分が作ったものを買ってもらえると嬉しくて。2年ほど続けました。
でも、だんだん仕事をしたくなって、パートで働いたりしたのですが、子どもが病気をしたりすると、職場にも迷惑がかかるし、家庭との両立もなかなか大変。そこで外に出た方がいいのか、家にいた方がいいのか、結構考えました。主人も、もともと私が外に出るのはあまり好きではなく、外に出たいなら習い事に行けばという感じでしたし。
◆リピートが見込めるネイルサロン&自宅で開業にピン!ときた
自分で好きなものを買うためには、仕事をしないとと思っていたところに、知り合いを通じて自宅でネイルサロンを開業した人を紹介してもらったんです。前にジェルネイルしてもらったこともあって、思い切って行ってみました。
どうやって自宅で開業できたのかなと色々教えてもらいました。当時は、絶対に「ネイル」を仕事にするんだという強い思いがあったわけではないのですが、その方のお話を聞いて、自宅でできる仕事を考えていた私の中に、「自宅でネイルサロン」が1つの選択肢として浮上しました。実は、ハンドメイド作品を販売していたときに、「一度買ってくださった方々が、また来てくれる」、いわゆる「リピートされる仕事」は強いなと思っていたんです。その点、ネイルは、オフしに来店されて、同時にまた新しいネイルをつけるという流れがあります。まさにお客様がリピーターとして繰り返し来てくださる仕事だとピンときました。
とはいえどこかでネイリストとしての技術を習得しないことにはできないので、知り合いに先生を紹介してもらって、ネイリストになるための勉強を始めました。
-それまで専業主婦でいらして、スクールに通うお金はどのように準備されたのですか?
主人には、相談はしにくかったので、ハンドメイドの作品を販売して貯めたお金を、将来、何かやりたいことがあったら使おうと貯めていたのですが、スクール代金に全て注ぎ込みました。
-Saccoさんは、もともと芸術短大だったわけですから、ネイルのデザインなどはお手の物では?
確かに、絵が好きで、手先も器用だから大丈夫だと高をくくっていましたが、ネイルスクールでコテンパンにやられました(笑)。「器用だからってできるものじゃない。その考え方はやめてね」「絵が得意だとか筆使いの上手さは多少役に立つけど、大切なのはジェルネイルを1か月持たせることや、キレイなフォルムを作ることだから」と。とにかく練習しかないと暇があれば練習をしました。