◆ママ友料金によって、モチベーション低下!? まさかの悪循環に
-それから開業までは順調でしたか? 開業準備はどうされましたか?
スクールに1年通った後、開業しました。開業準備は、自宅サロンということもあって、必要な道具は全て揃っていたので、消耗品だけ購入するだけで、費用はそれほどかけずに済みました。
―開業後、大事になってくるのは集客ですが、それはどのようにされたのですか?
いきなり広告を出すことはハードルが高かったので、まずは定番の「ママ友」に声をかけました。周囲の人たちは、私がネイルスクールに通っていたこと知っていたので、修了したら「やってね」と楽しみにしてくれていましたし、私も実績が必要なので、「安くするから」と練習させてもらっていました。
ピンクのグラデーションへのこだわりがわかるバリエーション
―ママ友のみなさん、楽しみにされていたんですね。反応は、いかがでしたか?
ジェルネイルは、通常3~4週間はキレイな状態を持続できるものなのですが、開業当初は、キレイに仕上げることはできても、なかなか1か月持たせられませんでした。「爪の端につけた石が取れた」「爪の先だけ欠けた」など、連絡をもらってやり直すのですが、それが週に一度くらい起きる状況。時には、一度全部取ってやり直すケースもありました。修正をほぼ無償で対応していました。
でもだんだん、私のモチベーションが落ちてきて、「安い料金でやっているんだから、これくらいで勘弁してよ」と思ってしまっていることに気付いたんです。でも、ママ友の方からしたら、「安くしてはもらっているけど、お金はちゃんと払っているわけだし」「『勉強になるから気付いたことがあったら言ってね』って言うから言ってるのに」みたいな、ちょっと微妙な空気が流れ始めたんです。
中には正規料金を払ってくださっているお客様もいたので、何とかしないといけないと思っていました。
◆思い切って出したネット広告によって、悩みが一気に解決!
-最初は、まず「ママ友」にモニターになってもらうというのは、やり方としては定番ですが、「お友達価格」で始めて上手く行ったケースはなかなかないですよね。
ママ友特別料金は、もうやめようと思っていたところに、大手ネット広告サイトから営業の電話がかかってきたんです。ちょうどブログを始めて、仕事用の電話回線も引いたころでした。
話は「広告を出しませんか」という内容でしたが、その金額は主婦にしては、ハードルが高いものでした。でもこれをきっかけに低料金でのサービスをやめられると思ったのです。それまで低料金でやってきた方に、「これからは、予約はそのサイトからお願いします」と言えるなと。
実際、そのサイトに広告を出したら必ず集客できると聞いていたので、先行投資だと思って決心したのですが、掲載とは、サイトから少しずつ予約が入るようになり、口コミでお客様が増えてきました。現在のお客様は、この時に広告サイトから来てくださった方々が基盤になっています。
自爪を削らず、ケアしながら美しく仕上がる「パラジェル」の登録サロン
-大きな決断だったかもしれませんが、それによってスムーズに次の段階に進めたということですね。さすが!広告を出したことによって、予約が入るようになったほかに、何か変化はありましたか?
私のモチベーションが上がったら、ネイルの持ちもよくなりました(笑)。お客様からのご指摘も真摯に受け止められるようになって、爪につける石も「取れるかもしれない」ということを念頭において、石の上から少し多めにトップジェルを被せたり、持ちがよくなるように下処理を丁寧にするようになったり。
―「ママ起業」については、「ママ友への特別料金」が悩みの種だとよく聞きます。
起業指南ブログを読むと、主婦が起業して成功するために、「やってはいけないこと」として「ママ友に安い料金で受けてもらう」って書いてあります(笑)。確かに最初は、低料金で受けていただいて経験を積むのは大切だけど、それをいつまで続けるかが難しいですよね。「今日から通常料金に戻します」って伝えればいいのですが、なかなか勇気が必要なんですよね。
私も、結構悩みましたが、ママ友に低料金でやっていた期間は、無駄ではなかったと思っています。「成功への最短コース」ではなかったかもしれないけれど、その期間は、私の肥やしになったと思っています。