シェアコスメ®を広めたい! 株式会社ability 代表小出美知代さん


◆福岡―東京間、往復勤務の末、その後の運命を変える仕事との出会い

―福岡のご実家にお子さんを預けて、東京に通勤するなんて想像がつきません!

IMG_0161時間的な制約がきつかったですね。通販誌の仕事は、仕事が始まる時間が遅く、帰りの飛行機の時間を考えると会議に参加できないこともあったりして、仕事自体は好きでしたが、結果的には退職しました。その後は、子どものことを最優先で考え、自宅と保育園に近い仕事先を都内で探し、自宅から一駅先にあり、自転車でも通える化粧品製造工場に正社員で採用されました。

―化粧品工場では、具体的にどのようなお仕事を担当されたのですか? 

化粧品製造OEMの営業でした。化粧品を作りたいというお客様のご要望をうかがい、試作と改良を何度も重ねて、最終的な配合成分の処方を決定。その間に、社内の開発担当とどんな容器や化粧箱にするのかを決め、それらの資材の手配まで、お客様が希望するコスメをゼロから完成までトータルで担当しました。

―これまでと全く異なるお仕事ですが、いかがでしたか?

入社時35歳だった私は、それまでスキンケアをする暇も余裕もなく、肌は小じわも目立ってカサカサ。ファンデーションを塗っても穴が塞げないほどのイチゴ毛穴でした。試作品をお客様と一緒に試すのも仕事のうちなのですが、開発担当者から正しいコスメの使い方を教わり、その通りに使っていたら、3か月後には毛穴もすっかりキレイになったのです。質の良い化粧品を使って正しいケアをすることで肌がキレイになった。それをきっかけに化粧品を作る仕事が大好きになり、開発担当者と試作品を作るうちに、どんな原料をどれくらい使えば良い化粧品が出来るかを学んでいきました。

◆起業を念頭に退職を決意。強い意志をもって次のステージへ

―化粧品製造の全ての知識、経験をこの時に身に付けたわけですね。もともと、おしゃれで美容が大好きだったとおっしゃっていましたから、このお仕事は小出さんにぴったりでしたね。

その後、会社の状況が一変し退職して違うOEM工場に転職。でも次の職場は、お給料がとても低い上に、製造業界はまだまだ男性社会。女性がどんなに頑張っても「出る杭を打つ」とばかりに煙たがられ、つぶされる。それなりにキャリもある私はいろんな矛盾を感じ始めたんです。

40歳を過ぎたある夏の日、勤務先があった新橋に向かう満員電車の中で10年後のことをふと、「50歳を過ぎても安いお給料で、汗だくで満員電車に乗っているのだろうか」と思ったんです。「こんな老後はイヤ! 人生一度しかない。今のお給料以上に稼げる! 試すならまだ元気な40代の内に!」と44歳のときに退職して起業を決意しました。

―また思い切ってしまったわけですね(笑)。シングルマザーでいらして、会社を辞めるということはとても思い切りのいることですよね。

あ、もちろん突発的に退職したのではなく(笑)、実は、退社する3か月前から創業融資を受けるために自治体の創業融資課へ通うなど計画的に準備を進めていました。門前払いにされた区もありましたが、親身になって対応してくださった台東区の担当者のお陰で、なんとか創業融資を受けることができて、2012年2月2日株式会社abilityを設立しました。

この時も、東京に出てきた時と同様、誰にも頼らず1人で法人設立、創業融資手続きをしました。最初の2年半は、大変なことの連続で「なんで起業なんてしたんだろう」と思ったことは、一度や二度ではありません。通帳の残高が数万円になったこともありました。株式会社アビリティの最初のビジネスは、女性ホルモン系のサプリの通販でスタートしました。その後、OEM工場勤務時代に惚れこんだフラーレン配合のオリジナルコスメ「フラーリッシュ」の美容液&クリームを販売し、2014年10月には、「シェアコスメ®」というオリジナルのビジネスモデルを確立させました。

―シェアコスメ®とはどういうものですか?

自分オリジナルのコスメを作りたいと思っている方は、たくさんいらっしゃるのですが、化粧品をOEMで作る場合、最小の発注単位は、最低でも通常1,000個なんです。それではコストがかなりかかってしまいますし、仮に出来上がったとしても他にも資金が必要なことがたくさんあるので、一般の方ではどれだけ美容が好きで勉強してきた方でもコスト面であきらめざるを得なくなります。

自分のコスメを作りたいけど資金が用意できず諦めていく人をたくさんみてきて、「1,000個を10人で分けて100個ずつ作れる仕組みがあったらいいのに!」と思いついたのです。trimmed原価は商品によって異なりますが、販売価格は自分で決められるので、その差額を収入にしていただけますから、サロン経営の方や会社勤めの方の副業はもちろんですが、子育て中や介護中で外に働きに行けない方が、ネットを使って販売することで収入を得られたらいいなと思ったのです。

―それは面白いですね。これまでにどれくらいの方がこの仕組みでコスメを作っていらっしゃるのですか?

最初は、「化粧水1000本を製造する」という企画で、知人たちに参加を募ったところ希望者がすぐに10名集まりました。あっという間に、リピートオーダーがつき、宣伝を一切していないのに、今では累計1万本近くの追加数になりました。その後もクレンジグオイル、UVミルク、泡ムース洗顔と続き現在は4つシェアコスメが完成しています。

―最後に今後について、お聞かせください。

今後、シェアコスメ®をどんどん広めて、自分ブランドのコスメを作る喜び、自分もキレイになりながら収入を得られる楽しさを知っていただきたいですし、また働きたくても働けない方の経済的なサポートになっていければと思っています。(終)

シェアコスメについての詳細は、コチラ

撮影/山辺恵美子 ヘアメイク/メイクマリエ 取材/川崎あゆみ

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