ファッションキャリアからコスメ開発へ　ディファインビューティ―代表　藤田陽子さん

interview

2016/2/29
interview
藤田陽子, ディファインビューティー, Define Beauty, 閉経, 肌トラブル, テレビ通販番組, 女性ホルモン, アパレル, 美容研究家

◆作りたいのは「シンプルケアで、しっかり結果が出るもの」

―ずっとファッション業界にいらした陽子さんが、化粧品を作るのにまずしたことは、何だったのですか？

知り合いだった美容コンサルタントに、「自分の化粧品を作りたいんです」とご相談に行きました。その方は、お名前は出せないのですが、皆様よくご存知の有名な美容家さんです。その方のアドバイスを頂きながら、試作を繰り返して、ディファインビューティの化粧品が生まれました。

―どんな化粧品を作りたいと思っていらしたのですか？

作りたいと思っていた化粧品は、「シンプルケアで、効果があって、ずっと使い続けられるもの」です。本当にいいものを継続的に使い続けることで自分の肌質が安定し、肌が健康でいられるような、シンプルだけどしっかり結果が出るものが作りたいと思っていました。何種類も顔に塗らなくてはいけないのは面倒くさがりの私の性に合っていないんです(笑)。

―成分へのこだわりなどはありましたか？

もちろんです。実は、20代の頃、美肌成分がたっぷり入った化粧品を使っていたのに、化粧品かぶれに悩んでいたんです。その時に悩んだ経験から、アレルギーを起こす可能性のある成分は極力避けて、もともと人間の身体の中に存在する成分（生体成分）を入れるなど成分にはかなりこだわりました。

今や多くの愛用者がいるディファインビューティ。昨年、HPをリニューアルしました。

―商品化された後は、どのように商品の存在を広めていったのでしょう？

試行錯誤ののち、やっと自分でも納得できる化粧品ができたのですが、売り先はすぐには見つかりませんでした。当然と言えば当然ですよね。そこで雑誌の編集者やライターの方々に直接商品をご紹介するために、様々な雑誌の編集部にうかがうなど地道にご紹介をしているうちに、幸運なことにテレビ通販番組への出演が決まりました。

―テレビ通販番組に出演するのは、かなりの狭き門と聞きますが、それは良かったですね。出演された後の手ごたえはいかがでしたか？

テレビ通販番組に出演したら、すぐに飛ぶように売れると思っている方もいらっしゃると思いますが、残念ながら１回目は全く売れませんでした。かなり不安にはなりましたが、２回目以降から回数を重ねるごとにリピートのお客様がついてきてくださるようになったのです。今では商品が完売になることもあるくらい、ご評価いただけるようになりました。本当にありがたいです。

テレビ通販番組に出演前の陽子さん。ご自身の肌トラブル体験をきっかけに研究して作ったコスメには、説得力があり「完売」になることも。

―ディファインビューティーを作って、良かった！と思われたことはありましたか？

やはり愛用してくださるお客様からのお声ですね。

アトピーで肌が荒れ、色んな化粧品を使ってみたけど一向によくならなくて外に出る時は必ずマスクをして顔を隠していたという方が、「ディファインビューティを使ってみたら、だんだんお肌がキレイになってきて、今はもうマスクはしていません」というお声だったり、「使い始めたら、娘からも肌を褒められるようになったのよ。本当にいい商品だから、絶対に頑張って」とお客様センターに直接お電話をいただいたこともありました。

「やってて良かった！」と心から思いました。たくさんの方々ではなくても、私が思いをこめて作った化粧品をいいと思ってくださる人のために、頑張ろうと思いました。

―最後にディファインビューティのブランド名の由来、込められた思いを教えてください。

もともとは過労やホルモンバランスの崩れなどから、お肌がボロボロになるということを何度か経験し、お肌の状態とメンタルな部分はつながっていると実感したことがベースになっています。Define Beauty とは、英語で“美しさを定義する”という意味。何を”美しい”と感じるかは、人それぞれちがいますが、素肌に自信が持てるようになったら、確実に心は前向きになるはず。

そして、前向きな心は全ての女性に輝きを与えてくれます。私にとっての”美しさ”とは、素肌の美しさのみならず、そこからくる前向きなこころのあり方です。

「あなたにとって“美しさ”は、何ですか？」と問いかけながら、美しい素肌とポジティブで輝く毎日を手に入れるお手伝いをさせていただきたい。そして、それぞれの”美しさを定義していただきたい。「一緒に年齢を重ねていこう」と思っていただける商品をこれからも思いをこめて作っていきたいと思っています。

以前、ひどい肌トラブルに悩んでいらしたなんて嘘のように透き通るようなきめ細やかな肌を拝見していると、陽子さんが思いを込めて作られたコスメの力を信じたくなります。アパレルとコスメ、形は違いますが、「美しくいたい」女性たちをずっと目の当たりにし、ご自身でも辛い時期を乗り越えていらした陽子さんならではの美に対する切実さと、全ての女性に対する「愛」を感じました。

撮影／山辺恵美子　取材・執筆／川崎あゆみ