描いていた夢を一度は手放しながらも運を自ら引き寄せた「グラン・アモーレ」代表山崎純子さん　後編

interview

2023/3/24
interview

―ようやく安定的な仕事がスタートしたわけですね。

山崎さん：それが……。保険会社に入社する寸前に、エステサロン時代のお客様だった方が私が退職したことを知って、「あれだけの腕を持っていながら、エステティシャンをやめるなんてもったいない。耳つぼダイエットカウンセラーの資格を取ってみない？」といってくださったんです。耳つぼシールを1週間に1回貼り替えて、栄養指導をしたり、体型の悩みを解決するためにコーチングをしながら、ダイエットをサポートする仕事でした。保険の勉強もしている最中でしたが、美容系の資格は持っていても損はないかなと思って、取ることにしました。

―腕を評価してくださっているお客様から、そんな風に言っていいただくなんて嬉しいですね。そしてまた新しい学びにチャレンジしたわけですね。

山崎さん：そうなんですが、実はその仕事は、MLM（マルチレベルマーケティング）ビジネスだったんです。当時は、実家住まいで家賃も不要だったので、毎月「いくら稼がないと！」というプレッシャーがなかったのと、カフェでもできる仕事だったので、半年くらい続けてみてうまくいかなかったら「やめたらいいや」というような軽い気持ちで始めました。

ちょうどこのときに、友人に占い師さんがいたので観てもらったら、「あなたは誰かに雇われるより、自分で商売をするとか、誰かに話すことが向いている」といわれたんです。自分では、そんなこと1ミリも思ったことはなかったのに、これは「やりなさい」というメッセージだと前向きに受け取って、エステの仕事と合わせてやってみることにしました。

―いよいよご自分のエステサロンの開業ですね！　準備はどのように進められたのでしょう？

山崎さん：妹が結婚して足立区に家を購入したので、使わない部屋をエステ用に貸してくれました。さらに、ありがたいことに「エステをやめるなんてもったいない」といってくれたお客様のお母様がもともとエステティシャン業界の先駆けの方なんですが、当時はすでに引退していらっしゃるということで、エステ用のベッドやその他のものを譲ってくださったんです。そんな風に手を貸してくださる方がいたので、ラッキーにも、すぐにエステサロンとして準備を整えられました。

―「今度こそ」という純子さんの思いが伝わってきます。集客はどうされたのですか？

山崎さん：集客に関しては、広告宣伝は一切していなかったんですが、最初は友人や知り合いに声をかけて、来てもらっていました。さらに、「耳つぼダイエット」に通ってくださっていた方が、「エステがあるなら受けたい」と、お客様が少しずつ増えていきました。

―順調なスタートが切れたんですね。

山崎さん：ご縁があって東銀座のマンションの一室でネイルサロンをしている人が、平日なら１部屋空いているので「一緒にやりませんか」と声をかけてくれて、平日だけ借りて営業するようになりました。妹の家がある足立区から東銀座に場所を変えることになりましたが、家賃は実際に借りた日数分だけを払えば良いということだったので助かりました。

―ロケーションが良くなって、お客さんも増えたのでは？

山崎さん：アクセスが良くなったことから、仕事仲間がきてくれるようになって、家賃と同額ほどの収入を得られるようになりました。集客も、エステサロンに勤務していた時代のお客様たちが、口コミで広げてくださったんです。自分一人で仕事をするのは、とても楽しかったです。占いでいわれた通りでした。

―運が悪いと思っていらした純子さんですが、マインドの変化もご自分で感じていましたか？

山崎さん：仕事がうまくいかなくて気分がとても落ちこんでいた辛い時期に自己啓発セミナーを受けたんです。そこで“思考は現実化する”ことを教えてもらっって、自分で「うまくいかない」と思っているからうまくいかないんだということに気づいたんです。それまで他人の顔色を見ながら、自分が我慢すればいいって思って、ちゃんと自分を出していないことが自分を苦しめていたことにハッとしました。そこから少しずつ意識を変えて自分を出せるようになった頃に、運命の男性との出会いがありました。

ー仕事がうまく動き出したら、結婚も！

山崎さん：仕事が動き出したら、今度は「結婚したい」という気持ちが強くなって。そのセミナーでマインドセットの大切を知ったこともあり、2017年の年始に「35歳までの誕生日までに結婚する」と決心しました。婚活をスタートしてからは、お見合いをしたり、合コンや異業種交流会も誘われたら断らずに、積極的に出かけていきました。結局、婚活アプリを通して運命の人との出会って、６ヶ月後には結婚。当時、だんなさんが39歳、私が34歳でした。

―お仕事も順調で、ついに結婚。もう「運が悪い」なんて言わせませんね！

山崎さん：2017年11月に結婚して、2018年8月に新居にサロンを移しました。東銀座のマンションの家賃を毎月支払っていくプレッシャーから逃れたくて、だんなさんに自宅でサロンをしたいと相談したら快諾してくれて、憧れの自宅サロン開業が叶いました。

―うまくいくときは、本当にトントンとことが運ぶものですね。今後のお仕事は、どのように考えていらっしゃいますか？

山崎さん：私は、人との縁をぶつっと切ってしまう傾向があるんです。もちろん意図してそうしているわけではないのですが、これからは、人間関係を長く続けられるようになりたいと思っています。そのために「コミュニティ作り」を考えています。せっかく調理師免許もあるので、「自分の畑で美味しい野菜を作って料理を出して、マッサージもできる」サロンができたらいいななんて。

吹いてきた風に軽やかに身を任せ、そのつど新しい自分と出会い、世界を広げてきた純子さん。今後は、「人とのつながり」をこれまで以上に大切にしていきたいとおっしゃいます。もともと「人と出会うのが好き」とのこと。ご自分が公私ともに一番安心できる場所を手に入れた今、グランアモーレの名の通り、大きな愛を持って、多くの人の拠り所となる場所を作られていくのでしょう。

【山崎純子さん情報】

・グランアモーレHP

・ONLINESHOP

・インスタ「山崎純子♡そのままの自分の愛し方」

・lin.ee/e5oX8zf

撮影／photostyling75c 　取材／川崎あゆみ