■「私には無理」と思いながらも選んだ次の職場は、夜のお仕事
―20代のうちにさまざまな仕事の経験を積まれたんですね。次はどんなお仕事に就かれたのでしょう?
山崎さん:キャバクラです。キャバクラで働いていた友だちからの誘いでした。最初は「私にはとてもできない」と思っていたのですが、「男の人の横に座ってお酒を飲んでいるだけだよ。やってみたらいいじゃん」と言われ、「そうなんだ」と軽いノリで始めました。
―いわゆる夜のお仕事は、「高収入」で「華やか」なイメージですが、同時に「キツイ職場」という印象もあります。
山崎さん:収入に関しては、見た目がすごく可愛くて、お客様との会話も上手な女性なら指名料も入るので、その分、手にする収入も多くなります。そうでなければ時給制なので、多く稼ぐためには、お店での労働時間を長くするしかないんです。私は、そこでも「極めてやろう」って4年間勤めました。負けず嫌いなんでしょうね。女性どうしのトラブルもありましたが、それなりに楽しかったですよ。
―純子さんは、1つ1つのお仕事に真摯に向き合って、「極める」ところまで努力される方なんですね。ただ、「30歳」という女性にとっては少し気になる節目が目前に迫ってきますがいかがでしょう?
山崎さん:当時3年ほどお付き合いしていた男性がいたのですが、彼との関係に「未来がない」と感じて28歳のときに別れました。30歳を目前に、仕事面では「正社員になったことない」、プライベートでは「彼氏もいない」という状態だったので、確かにだんだん焦りを感じ始めていました。どちらかというと、結婚したいという気持ちよりも、仕事面での焦りの方が大きかったかもしれません。
―仕事面での焦りとは?
山崎さん:調理師免許は持っていましたが、飲食関係の仕事には、もう全く興味がありませんでした。違う分野でイチから経験を積めたらいいなと思っていたのですが、30歳を過ぎると営業職以外で採用される可能性が低くなります。なるべく早く決めないとという感じでした。希望は、「昼間のお仕事」「正社員」「経験ゼロでもできる仕事」でした。
■公私ともに焦りが出始めた20代後半。とうとう自ら動き始めた!
―とうとう純子さんが、自ら希望を挙げて動き始めましたね。
山崎さん:ほんとですね(笑)。次に勤めたのはエステサロンでした。私が利用者として入会したお店だったのですが、数回通った頃、エステティシャンの仕事ぶりを見て、昼間の仕事だし、正社員だし「ここかな」ってピンときたんです。すぐに店長に「働きたいです」と伝えたところ、翌日に面接、さらにその翌日から仕事がスタートしました。
―とんとん拍子に決まったんですね。展開が早い!
山崎さん:私も、そんなすぐに勤務がスタートすると思っていなかったので、びっくりしました。でも、すぐにはキャバクラを辞めることができなかったので、3か月くらいダブルワークをしました。夜の仕事と昼の仕事だったので、もう眠くて眠くて。でも採用が決まって、念願の正社員として働くことになりました。
―エステティシャンってそんなに早くなれるものなんですか?
山崎さん:手技ではなく、マシンを使ったエステだったので、研修は1週間程度で終わりました。マニュアル通りにマシンを使うことができたら問題なくて、注意するべきことは、お客様の肌に当たる金属部分を「頭や骨には当てない」「同じ部分に3秒以上当てない」というくらいのものでした。もちろん、ハンドマッサージも習得しましたが。
―実際のお仕事内容を教えてください。
山崎さん:フェイシャルもボディも基本的にお客様1人につき1時間。そのうち施術時間が40分、残りがお客様のお着替え、終わった後に部屋を片付けるというのが一連の流れです。勤務時間は、基本的には13時から21時の1日8時間。でも午前中に予約が入ったら10時から開始するという感じでした。お客様の予約は毎日フルに入っているので、キャンセルが入らない限り休憩が取れないんです。1日8~10人の施術を担当するという体力勝負の仕事でした。
■やりがいを感じ、評価もされていた。でもある日、ふと気づいたことが!
ー「1日8時間施術を続けて、休憩なし」では、いくら20代でも相当体力を消耗するのでは?
山崎さん:確かにきつかったんですが、将来的には、自分のサロンが持てるという話だったので、やりがいも感じていて楽しかったです。他のエステティシャンたちもみんな、いつか自分のサロンをオープンするんだという夢を持って頑張っていました。
―やりがいを感じられるお仕事にめぐりあって良かったですね。
山崎さん:やはり自分の施術で、お客様に喜んでいただけると嬉しいですよね。偶然にも今までやってきた仕事は、全て接客の仕事でしたし、私に合っているんだと思います。例えば、スーパーのレジの仕事でも、他のスタッフがお手上げっていうちょっと対応が難しいお客様からのクレーム対応は、私に回ってくるんです。「あなたは、そういう人の対応が得意だから。お願い」って。キャバクラでもちょっとクセがあったり理不尽なことをいう方の接客を任されると、どういうわけかやる気がでるんです(笑)。
―なるほど。純子さんのコミュニケーション力の高さが評価されているということでしょうか。
山崎さん:もしかしたら、ハードルを少し高く設定されると「絶対超えてみせる」と闘志が沸くタイプかもしれません。エステでは、お客様が支払ってくださる利用料金が高い分、美容面での効果にしても、スタッフの対応にしても、エステティシャンに求めるレベルが高くなります。期待されると「期待以上に応えたい」って思うタイプですね。
―勤務時間などハードな印象ですが、体力の方は大丈夫でしたか?
山崎さん:公休が週に1日で、月に4日しか休みの日がありませんでした。でも売上目標を達成していないと、休日も返上して出勤するしかなくて、2年間くらい休みなしで働いたこともあります。正規の営業時間は13時から21時までですが、午前中に出社して、営業時間後も営業で成果を上げるためにロールプレイをしたり。カルテや報告書を書いたりして、1日中休憩も取らないで会社にいました。
―そんな状況がずっと続いて、よく気力も体力も持ちこたえられましたね。自分のお店を出すという目標があったからでしょうか。
山崎さん:それが30歳になって、お店で働く先輩たちの姿を見て「あれ?」と思ったんです。みんな、夢に向かって頑張っているはずなのに、休まずに働き続けて、へとへとになっている。私もこのまま頑張っても、数年後もきっと今と変わらないと気づいたんです。
せっかくやりがいを感じられる仕事についても、次々と退職せざるをえない純子さんの境遇をどのように説明したらよいのでしょう。やっと「エステサロンを開業したい」という次の夢を描くことができて、寝る時間も惜しんで努力を続けてきたのに、またもや、職場の先輩たちの疲弊した姿に「数年後の自分を見た」という純子さん。
後編は、現在のお仕事につながる運命の「一言」によって、純子さんの人生が動き出します。お楽しみに!
【山崎純子さん情報】
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撮影/photostyling75c 取材/川崎あゆみ
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