■30代、40代の頑張りは、ただひたすら家族のために
―ご主人の親子関係が修復できてよかったですね! ところで、マキさんは、メイクやパーソナルカラーはいつ習得されたのですか?
マキさん:結婚してスタジオで仕事をするようになったときから美容担当としてメイクを習っていたんです。あと、撮影の際の衣装をアドバイスするときにパーソナルカラー診断ができた方が説得力が増すかなと思い、スクールに通いました。そのうちに自分で水戸のNHKカルチャーセンターでレッスンを持つことになりました。季節ごとに開講される特別講座「50代からのナチュラルメイク講座」は人気講座になって、10年以上担当しました。
―30代は義務と犠牲。40代も震災があったり、東京・月島でお2人だけでイチからのスタートと激動の10年でしたね。
マキさん:今、50歳になって、これまでを振り返ってみると、私の人生は30代も40代もずっとサポート役だったなって思うんです。だからそろそろ自分のことをやっていきたいと思うようになりました。そこでメイクレッスンを開催してみたり、心理学やコミュニケーション学を学んで講座を開催したりしてみたんですが、そもそも集客が大変で。今後の仕事をどう展開いこうかと、少し行き詰まりを感じてもいました。
■偶然の出会いが、運命の出会いに
ーそれまで、ご主人をはじめご家族のために時間を費やしてこられたのですから、いきなり何かを始めるといっても難しいですよね。でも、人生を変える素晴らしい出会いがあったそうですね。
マキさん:そうなんです。偶然に出会った方にしては、ビッグ過ぎて驚きますが、彼女の名前はユーコ・すみだ・ジャクソンさん。ゆうこさんは、マイケル・ジャクソンの「Dangerous Tour」に参加した唯一の日本人ダンサーです。本田健さんと彼女とのインタビュー撮影を主人が担当したのがご縁で知り合いました。
偶然、私もその撮影現場に居合わせていて、ユーコさんが、事故によってご自身の顔に大火傷を負って、心身ともに大きなダメージを受けていたときに「セルラム」という器械を使った施術によって、美しい肌を取り戻したというお話をうかがったんです。その器械に興味が湧いた私は、さっそく10回集中コースを申し込み、施術を受けてみたところ、肌の調子はもちろん、何の作用なのかわからないのですが、なんだか心まで明るくなるのを感じたんです。そのときに、この器械の可能性を感じました。
そもそも私は、健康でおしゃれ心を持つ女性になるために「マインドを整える」セッションをやりたかったんですね。でもマインドを変えるには、とても時間がかかりますよね。とはいえメイクで美しくなるのは一瞬のこと。でもこの器械なら、マインドと見た目の美しさを同時に叶えられると思ったんです。まさに「これだ!」と思って、セルラムの施術資格を取得することにしました。
■自分の足で一歩踏み出そうとした、そのとき…
―マキさんのすごい偶然が続く人生にびっくりします。でもこれからマキさんが求めていらした「マインド」と「見た目の美しさ」の2つのことが同時に叶えられるものに出会えたんですね。
マキさん:本当にね(笑)。このセルラムは、本当に「これだ!」って思えるものだったので、意気揚々と準備を始めました。「セルラム」の器械を購入して、サロンオープンに必要な道具も揃え、書類も準備し、保険も入って全て準備して、さあ始めるぞ!と思っていたところに、今度はなんとコロナの感染拡大が始まってしまったんです。もちろん営業は自粛です。なんてツイていないの!と思ったのですが、自粛開けにHPから体験トリートメントのお申し込みが入ったんです。自然治癒力を高めたいとのことで、10回集中コースに申し込んでくださいました。その後、またHP経由で体験をご希望のから申し込みが入って、「セルラム」へのニーズはあることを確信。「諦めなければ大丈夫なのかも」って思うようになりました。
―何かとんでもないことが起きても、いつも必ず救いがあるのもマキさんの人生ですね。それはいつも一生懸命頑張っていらっしゃるからだと思いますが、これによって「サポートする立場」からようやくマキさん「ご自身のお仕事」がスタートしたわけですね!
マキさん:結婚してからサポート役に徹したというよりは、小さいときからずっと「サポート役」とか「サブ役」なんです。「それでいい」と思っていたというか。実は私が生まれ育ったのは教員一家で、両親が共働きだったので祖父母に育てられました。祖父母は優しいけど、とにかく「きちんとしている」ことが大切だと教えられて育ったので、「人と足並みを揃えること」「普通が一番」という考え方が私にしみついているんです。だから成績はそこそこできるけど、特に際立つことがないという感じで、いつも自分に自信を持てない。自分でアピールするのが苦手だから、活発でリーダーシップのある人が、その場のエネルギーをバっともっていく感じに憧れていました。
■「私は、誰の人生を生きているんだろう」
―マキさんは、華やかでいつも人の輪の中心にいらっしゃるイメージです。それは意外でした。
マキさん:そうやってずっとサポート役できた私の人生だけど、ある時、「私は、誰の人生を生きているの?」ってふと思ったんです。結婚してからずっとサポートする立場だった私は肩書がなかったんですね。一生懸命何かをやればやるほど、「何のために」「誰のために」私は頑張っているのだろうと辛さを感じていました。
でも、よく考えたら、そんな自分が私自身なんですよね。欲しいのは肩書ではなくて、「自分の生き方でいいんだ」って自分で認めてあげることだって気づいたんです。私がこれからやりたいことは何なのか。それは「誰かの、何かのサポート」ではなく、「自分が自分で立つ」ということだったって。それに気づいてからは、自分に自信が少しずつ持てるようになりました。
―特に仕事と子育てに追われるママたちは、「何のために」「誰のために」って疑問を持ちながら、全力疾走していますよね。多分、多くのパパたちも。でも、結局みんな、自分で「良し!」って自分を認めながら走っている人が多いのかもしれませんね。
マキさん:私の場合は、欲しいものは肩書なのかなって思っていたけれど、そうじゃなかったことに気づきました。美味しいお茶を飲む時間を持てる自分は幸せだ、満たされていると思えればそれでいいなって。今まで、そんな風に思えなかった私は、自分を置きざりにしてきていたんだなって思ったんです。「今あるもの」にフォーカスすることができていなかったんですね。
なんでもそうでうが、「どうでもいい」って、投げやりにならないことが大切ですよね。そう思うってことは、自分を大切にしていないっていうことだから。これからは自分をいたわっていきたいと思っています。
美容もそうですよね。年齢を重ねると、気になるところはたくさん出てきます。それを「もう年だからいいや」って投げやりになってしまったら老化は進む一方。だけど、ちょっとしたお手入れで肌は変わるし、肌がきれいになると心が明るくなるし、自己肯定感も上がります。自分を大切に思える。そんな気づきを世の中の女性に持っていただきたいし、セルラムを通じて「自分を大切にする」という部分に関わっていけたらと思っています。
人生100年時代において、やっと巡り合えたライフワーク。仕事においては、100歳まで健康で、楽しくおしゃれ心を持って生きる女性を増やすこと。そしてもちろん私も目指しますよ!
オヌキマキさん、貴重なお話をお聴かせいただきありがとうございました。
撮影/森藤ヒサシ 取材/川崎あゆみ
インスタグラム/cellulam_bliss
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