interview

パーリィテラス “SEVEN” 「からだデザイン」代表 一井葉子さん


子育てが終わって一段落、そんな女性も多い40歳代は、まだまだ人生の折り返し地点。「これからは自分のための自分らしい人生を歩みたい」とこれから自分主役の人生を歩もうとしている女性達にエールを送りたいという想いから誕生したキレイとチャレンジ応援サイトパーリィテラス。雑誌の読者モデルや、通販番組の愛用者モデルなどあらたなライフステージへの扉を開いた女性を多数輩出しています。 中でもパーリィテラスのアイコンとなるハイブランドチーム”SEVEN”から、からだデザイン代表の一井葉子さんにお話をうかがいました。

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自らの体調・体質改善の経験をもとに、オリジナルのセルフメンテナンス法“セルフボディデザイン”と“Healing Food”を発信。「からだデザイン」の代表として、これまでに1000人以上の女性に指導されてきた一井葉子さんをご紹介します。
 
 ◆「なりたいものがなかった」子どもの頃
 
―プロフィールを拝見すると、MC・会社員・フラワーアレンジメント講師に趣味は茶道と何でもお出来になる方という印象なのですが、一井さんは子どもの頃は、何になりたかったのですか?
 
意外に思われるかもしれませんが、実は小さい頃は夢が全くなくて、「大きくなったら何になりたい?」と聞かれると困って、適当に「幼稚園の先生」というような子でした(笑)。 とても内気な性格で、幼稚園では母親が心配して、窓越しに部屋の中にいる私の様子を見に来ていたほどだったんです。
 
―すごく活発なお嬢さんをイメージしていたので、それは意外ですね。その内気だった葉子さんが、MCやナレーターの仕事をするきっかけは何だったのでしょうか。
 
5、6年生の時の放送部の顧問だった担任の先生から放送部に入らないかと誘われ、言われるままに入部。給食中に流す放送を毎週火曜日に担当したんです。通常校内放送は、音楽をかけたり、「今日は何の日です」というような内容が一般的ですが、私は部長とペアで、DJ風に掛け合いスタイルで放送したところ、「面白い!」と学校中で大ウケして。毎週火曜日は、みんな夢中で聞いてくれて、給食中に席を立つ子がいなくなったと言われたほどでした(笑)。 
その時に、「葉子ちゃんの声は、聴きやすいね」「話が上手だね」などと言われたり、全校規模のイベントの司会を先生から指名されるようになったりしたことで、それまで自信のない子だった私が、みんなが期待をする放送をする楽しさに目覚めたんです。「私、こんな仕事がしたい!」と思うようになったのは、この時が初めてでした。
その後、中・高では、勉強に忙しい毎日を送り、大学は仏文科に進学。バブル絶頂期で、女子大生としてもてはやされ、テレビやラジオ、イベントで、MCやナレーターとして仕事をするなど、社会人とも接点が多く、華やかな女子大生を謳歌していた一井さん。在学中に数度、フランスに短期留学をされています。

◆フランスでは通用しなかった「日本流エセ大人の女性」
―当時は、留学と言えばアメリカやイギリスの英語圏が主流だったかと思いますが、一井さんの目にフランスはどのように映りましたか?
当時のフランスでは、まだ日本の女の子が珍しい時代で、とにかく可愛がられました。でも、可愛がってくれるイコール“子ども扱い”だということにすぐに気づきました。自分もいっぱしの大人のつもりで渡仏しましたが、フランスでは、40代オーバーで初めて「大人の女性」なんですね。
ホストファミリーの両親がおしゃれをして、夜レストランや観劇に出かけても、私はベビーシッターをしながらお留守番でした。子どもは家にいなさいと。「え? 私、日本で夜な夜な遊んでいましたけど?」って(笑)。 日本では、十分大人のつもりでいたのに、フランスで子ども扱いされたことは、大きな衝撃でした。

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 ◆「話す仕事」も「続けたかった仕事」もあきらめた
 
―在学中から、テレビやラジオの仕事をされていたわけですから、就職はやはりマスコミ系を志望されたのでしょうか?
 
“話す仕事”をしたいとテレビ局を志望。キー局で最終選考まで残ったところもありましたが、生まれも育ちも兵庫県だったので関西弁のアクセントが抜けず、あえなく不採用。東京のレベルには達していなかったということを悟り、「地方にいたから“私、出来る!”って鼻高々でいられたけど、東京では通用しなかった。私は結局、井の中の蛙だったんだ。」と実感しました。それまでのさほど努力もせず、若さとノリと要領の良さだけでは通用しない、“本物”にはなれないんだと頭を打った時でもありました。
 
大学卒業後、大手化粧品メーカーに就職し、神戸本社で営業職に就いた一井さんは、2年後に東京に転勤し、採用教育・人事を担当。全国の大学での就職説明会など持前の「話す力」を存分に発揮します。結婚後も、通訳・翻訳者の派遣会社の人事システムを構築するという大きな仕事を成し遂げ、今度は東京でも実力を発揮。ところが30歳で「妊娠」という大きな転機が訪れます。
 
―仕事がノリにのっている最中での妊娠。仕事を続けるという選択肢はなかったのでしょうか?
 
仕事は続けたかったのですが、家族から「子どもは、3歳まで自分の手で育てなさい」と言われ、退職を決めました。ただ、当時の上司だった男性から「あなたの仕事を辞めるという選択は僕は正解だと思う。仕事はいつでもできるけど、子育てできるのは今しかないし、その時期をきちんとみてあげると言うのは誰にもできない仕事だから、きちんと育ててあげてください。会社的には、あなたがいなくなると困るんだけどね」と言ってくださったんです。本心では仕事を続けたいと思っていた私は、この言葉にハッとして、「きちんと子育てしよう」と思えたんです。
 

◆「お花の仕事」が軌道に乗ってきた矢先に

 ―その後、お花の仕事を始められていますね? どんなお仕事だったのですか?
 
娘が幼稚園になった頃に、何か始めたいと思って、子供のころから習わされていたお花の勉強をし直そうと思い、恵比寿のフラワーアレンジメントスクールで当時出始めたばかりのプリザーブドフラワーを学び、続いてウエディングのブーケを額装するプレストフラワーを学びました。その後すぐに「パートタイムでいいから、お手伝いをして欲しい」と言っていただいて、プリザーブドフラワーの教室でアシスタントをするようになり、次第に講師の仕事もするようになりました。同時にプレスとフラワーのお仕事も在宅で受けるようになっていました。
 
プレストフラワーの仕事は、やりがいは大きいのですが、大変な作業で、結婚披露パーティが終わった21時頃に花嫁その日が持っていたブーケを受け取り、1枚1枚花びらを外して乾燥させることから始めます。時間が経つと、花の鮮度が落ちてしまって色褪せてしまうので、子どもを寝かした後、午前3~4時まで作業して、翌朝は娘のお弁当を作って幼稚園へ送りだし、昼間の明るいうちに花びらに色をつけ、また元の花の形を平面に再現していくというものです。でもお花は大好きだったし、楽しんでいました。それからしばらくして母に癌が見つかったのです。
 
お母様が入院され、ベッドのかたわらで、プレストフラワーを仕上げたこともあったそうです。でも看病との両立は難しく仕事は全てストップ。当時、自分で教えていたクラスもやめることになりました。1年2か月の闘病の末、残念ながらお母様は天国に召されました。この出来事が、葉子さんのこの後の運命を大きく変えていきます。
 
―当然かもしれませんが、お母様が亡くなったことで、相当大きなショックを受けられたそうですね。
 
母とのつながりが濃密だったので、その喪失感たるや相当なものでした。毎日ひきこもって泣いていました。夕方になっても、部屋の電気もつけずに真っ暗な中にじっとして、御飯の用意もできていないというようなこともありました。でも四十九日が過ぎた頃には「これではいけない。ちゃんとしなくちゃ」と思って泣くのを我慢していたら、今度は、人前で一切の感情を表すことができなくなってしまって。でも1人になったら、また泣くということを繰り返していました。
 
気を紛らわせて泣く暇を、母を思い出す心の隙を自分に与えないようにと、教室の講師やプレストフラワーの仕事を再開して、どんどん自分をわざと忙しくしたんです。寝ないで没頭して、目はいつも血走った状態でした。そんな私の姿を見て不安に思ったのか、主人から「健康診断に行ったら?」とすすめられて受診した結果、若年性の緑内障が発覚しました。
 

◆本気で自分と向き合う決心

 
―精神的なショックや目を酷使していたことも原因にあるのでしょうか。失明の可能性もあると言われたそうですが、どんなお気持ちでしたか?
 
仕事に没頭して、自分の体の状態が見えなくなっていたのでしょうね。目が見えなくなったら仕事もできないし、娘の花嫁姿も、孫の顔も見られない。真剣に自分の体と向き合う決心をしました。
 
食事を変えてみたり、整体に通い始めたり。ありとあらゆる本を読み、講演会や勉強会、色んな教室にも行って、色々な健康法を試すうちに、心身が整っていくのを感じていました。私の体の変化をみた人から「何をされているのですか」と質問されるようになり、私が学んできたこと、実践していることを人に“伝えたい”と思うようになったのです。
 
当時まだ、月に2回アシスタントを続けていたお花の先生に「整体をメインに仕事をしていきたい」と相談した一井さん。先生から思わぬ返事が…。「いつか、こういう日が来ると思っていました。一井さんならきっと活躍されると思います。良かったら、お花の教室のスペースを整体のレッスンに使って」と場所を提供してくださったそうです。
 
―2008年に「からだデザイン」を立ち上げ、ここに辿り着くまで、色々なことを経験されましたね。
 
キャリアが何度も中断して、諦めることが多くて、描いた通りに歩いてきたわけではなかったけれど、挫折の繰り返しの中から本当にやりたい、一生続けたい仕事が生まれました。40年間の経験の集大成ですね。でも体を壊して始めて、今までの人生で自分とちゃんと向き合ってこなかったことに気付いたんです。恰好をつけていたというか。何かに必死で、がむしゃらに向かい合うことから逃げていた。でも目が見えなくなるかもしれないと思ったら、格好つけている場合じゃない。すがるような思いで病気と向きあうことで、今のブレない自分が出来たと思います。
 
―最後に。ご著書「40代からの女をあげる整体学」の中で“変化できる人が美しい”と繰り返しおっしゃっていますが、これだけは、変えずにいようと思う事はありますか?
 
自分の感覚を信じることです。私はもともと頑固で、自分が信じられると思った人の言う事しか聞かない傾向にあります。もしかしたら、そのやり方で損をしていることもあるのかもしれませんが、「自分の感覚」を信じることは変えたくないし、変わらないと思います。
一井葉子さん
 
★からだデザインHP http://www.karadadesign.jp/

★ブログ:からだデザインつれづれ日記 ~YOKOの”Body&Mind Story”~
                 http://ameblo.jp/karadadesign/

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