recommend

ホンスキージョの気まぐれ読書:「余命10年」


読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)

ホンスキージョ そのいち:Anzy

小学生の事は、毎月、親からもらったお小遣いを握りしめて、本屋に直行。親戚の家に行けば、本棚からごっそり本を取り出して、遊ぶいとこたちを横目に、山積みにした本を片っ端から読んでいく。特に伝記物が大好きで、「人の人生」に強い興味を抱き、のちのちのインタビューの仕事へとつながっていく。特にキュリー夫人に憧れて研究者になりたいと夢みたものの、バリバリの文系だということに気が付くまでそう時間はかからなかった。「世界中の非識字率をゼロにしたい」という想いを心に抱き続けている。現在は、毎週日曜日の読売新聞の書評欄にくまなく目を通し、面白そう♪と思ったものは、その場でかたっぱしからアマゾンで注文。毎週2~3冊読む本の中から、おすすめしたい書籍をゆる~くご紹介します。*ジャンルは相当偏っています。

ホンスキージョ そのに:JUNKA

幼少期から本が心の拠りどころで、毎日図書館に通い詰めては次の本を借りるのが楽しみでした。続きものの物語を読み始めたら止まらず、ゾーンに入って気付いたら朝、ということもしばしば。当時有隣堂のカバーに書かれた「本は心の旅路」に激しく同意する小学生でした。本はいつどんな時でも、その世界に入り込むことで冒険者にも哲学者にも魔法使いにもなんにでもなれる。嬉しい朝、泣きたい夜、困難にぶつかって頭を抱える日も、自分がどんな心の状態の時でも、いつも何かの答えをくれる。そんな本に支えられてきた人生を送ってきました。心に響く珠玉の作品から実生活に役立つ目からウロコの一冊まで、おすすめの本をご紹介します。なお、Anzyにつづきまして、ジャンルは相当偏っております!

***********************************************

今回の担当も、JUNKA。

本は、こちら。

「余命10年」

小坂流加 著

書店でふと目が止まったタイトルの横には、「この本の刊行を待たずに逝去した著者が命を賭けて綴った物語」というPOPが立っていました。

著者の小坂流加さんは、この本の編集が終わったあと、主人公と同じ難病の病状が悪化し、刊行前に亡くなったとのこと。

その事実を知り、思わず手にとったこの本には、余命10年という難病を患った女性が生きる現実の重さと、本当の「死」と「生」の叫びがありました。

「またひとつ大切なものを心に埋めていく。心の割と治安のいい場所には墓標がいくつも立っている。かつて好きだったこと。いま失ったこと。手放すのではなく心に静かに埋めていく。」(本文引用)

感動させようという描写はなく、むしろ淡々と描かれるリアルの中に、思わず息を飲むような、胸の奥がぎゅっと振り絞られるような、痛みとも苦味とも表現できない何かがこみ上げてきます。

「命が恋しくて、時間がいとおしくてたまらない。

愛する人と別れることが死だと思った。

けれど、いとおしいと思えた自分と別れることも死なんだよね。

こんなことならもっと自分を大切にすればよかった。」(本文引用)

ページをめくる手を止めて衝撃をやり過ごさずにはいられないところや、深く思考を巡らせてくれる心情描写、胸に残るひと言が溢れていて、涙を拭っても、拭っても零れてくる物語でした。

夢や希望や憧れを捨てて、何もかもを諦めて、胸を抉るほど悲しくて、心が砕けるほど孤独で。それでもどうしてもやってくる「死」に向き合いながら生きる主人公に、私は「日々をどう生きるか」を深く考えさせられました。

あまりにも現実味がある内容に、死とはこういうものなのか、とも感じさせてもらいました。教えられることが多い本作は、深く確かに、心に残る作品です。

映画化も決定したそうですが、多くの人へこの作品が届いてほしい。今与えられている自分の人生を大切に向き合うためにも。そう心から感じる一冊でした。

まだ読んだことのない方は、ぜひ一度読んでいただきたい物語です。

いつか訪れるその日を意識することで、きっと命が、「今日」が輝くことでしょう。

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

余命10年 (文芸社文庫NEO) [ 小坂流加 ]
価格:682円(税込、送料無料) (2021/8/14時点)

楽天で購入

 

 

 

ホンスキージョの気まぐれ読書:「余命10年」

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)今回の担当は、今回の担当も、JUNKA。本は、こちら。「余命10年」小坂流加 著。書店でふと目が止まったタイトルの横には、「この本の刊行を待たずに逝去した著者が命を賭けて綴った物語」というPOPが立っていました。著者の小坂流加さんは、この本の編集が終わったあと、主人公と同じ難病の病状が悪化し、刊行前に亡くなっ

ホンスキージョの気まぐれ読書:「あやうく一生懸命生きるところだった」

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)今回の担当は、JUNKA。本は、こちら。「あやうく一生懸命生きるところだった」ハ・ワン著「ん?どういうこと??」と、まずは目が素通りすることを許さないタイトル。そしてタイトルのインパクトに畳み掛けるような表紙イラスト。今回は、タイトルと著者本人が描いた表紙のなんとも脱力しきったイラストに、思わず吹き出しそうになりながらもレジに直行してしまった不思議な一冊をご紹介します。

ホンスキージョの気まぐれ読書:「シンプルルールズ」

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)第十回目の担当は、JUNKA。本は、こちら。「SIMPLE RULES」(シンプル・ルールズ)ドナルド・サル&キャスリーン・アイゼンハート著 ワシントン・ポスト、タイムズ紙などで絶賛されたという「SIMPLE RULES」。冒頭から、過酷な野戦病院で働く衛生兵の事例に

ホンスキージョの気まぐれ読書:家族写真の魔法

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)第7回目の担当は、Anzy。茨城県水戸市で130年続く老舗写真館「小貫写真館」4代目であり、フォトグラファー森藤ヒサシさんによる著書「家族写真の魔法」。みなさんは、撮っていますか?「家族写真」。我が家では、2人の子どもたちの入学や卒業の折りにはいつ

ホンスキージョの気まぐれ読書:「悩む力」

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)第8回目の担当は、JUNKA。さて、みなさんに質問です。突然ですが、ちょっと考えてみて下さい。1.清掃人が高い建物の窓を拭いていたところ、20メートルのはしごから足を滑らせてコンクリートの床に叩きつけられてしまいました。しかし無傷でした。

ホンスキージョの気まぐれ読書:脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)第6回目の担当は、JUNKA。一日は誰でも24時間と平等に決まっています。でもいつも時間に追われてしまう人と、ゆったり過ごせる人がいるのはなぜでしょうか。もちろん、収入や能力、仕事などの違いがあること

ホンスキージョの気まぐれ読書:厚さ5センチの「独学大全」

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)第5回目の担当は、Anzy。今回のおススメは、またマニアックですよ。「独学大全」なんと788ページ。厚さ5センチです。大全とは、「その物事に関する事柄をすべて集めた書物」という意味だそうですが、タイト

ホンスキージョの気まぐれ読書:「自己肯定感」を上げるための3冊

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)第4回目の担当は、JUNKA。今回は、3冊一挙にご紹介します!

ホンスキージョの気まぐれ読書:売れるコピーライティング単語帖 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2000

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)第3回目の担当は、Anzy。本は、こちら。「売れるコピーライティング単語帖

ホンスキージョの気まぐれ読書:「イヤな気持ち」を消す技術~

読書好き、書評好きの2人のライターによるオススメ本のご紹介(毎月10日&20日更新)第二回目の担当は、JUNKA。本は、こちら。「イヤな気持ち」を消

ホンスキージョの気まぐれ読書:自分で始めた女たち~In the company of woman~

書評好きの読書好きなライターによるオススメ本コーナー。毎週日曜日の読売新聞の書評欄にくまなく目を通し、面白そうだと思ったものは、その場でかたっぱしからアマゾンで注文。毎週2~3冊読む本の中から、お

関連記事

  1. ホンスキージョの気まぐれ読書:売れるコピーライティング単語帖 探…
  2. ホンスキージョの気まぐれ読書:「自己肯定感」を上げるための3冊
  3. ホンスキージョの気まぐれ読書:「悩む力」
  4. ホンスキージョの気まぐれ読書:自分で始めた女たち~In the …
  5. ホンスキージョの気まぐれ読書:家族写真の魔法
  6. ホンスキージョの気まぐれ読書:脳のパフォーマンスを最大まで引き出…
  7. ホンスキージョの気まぐれ読書:「イヤな気持ち」を消す技術~
  8. ホンスキージョの気まぐれ読書:「あやうく一生懸命生きるところだっ…

おすすめ記事

あなたに勇気をくれる言葉 「明日一歩踏み出す力」第20回

こんにちは、大内です。みなさんは時として、「意味」を探して迷子になってしまうことはありませんか。仕事をする意味、頑張る意味、耐える意味、生きる意味…ここまでして頑張る意味があることなのか。自分や周りの人の幸せにとっても意味があることなのか。つらいときほど、そんなふうに意味を探すこともあるかもしれません。

ピックアップ記事

PAGE TOP