こんにちは、大内順子です。
突然ですが、あなたは今、「自分らしく」生きていますか?
この問いには「ハイ!」と即答する人もいれば、「“自分らしさ”ってなんだろう?」「そもそも自分らしく生きるとはどういうこと?」という人もいるでしょう。
仏教や東洋哲学の考えで言えば、「“自分”は無い=“無我”」とも言えます。
“自分”と言われているものは、周りの人との関係性における写像に過ぎない、つまり私の母から見たら私は「娘」、姉から見たら「妹」、クライアント様から見たら「心理カウンセラー」や「コーチ」、デパートの店員さんから見たら「買い物客」、道を歩いていれば「通行人」であって、“自分”を表す確固とした定義はないとも考えられるでしょう。
しかし、そんな存在の私の中にも、「これが自分だ」と感じるものがあります。
それは信念、価値観、在り方など、さまざまな言葉で表現されることがありますが、「自分なりの感じ方・考え方の軸」のようなもの。
アイデンティティと言い換えたほうが近いのかもしれません。
私達は、成長するにつれ自分なりの在り方やアイデンティティを築いていきます。
さまざまな人との関わりや体験を経て、磨かれ、時には余計なものが付いたり削ぎ落としたりしながら、そのすべてを活かし、一人ひとりに合った形で研ぎ澄まされてきているでしょう。
ただ、時には家族や学校、そのときの人間関係、所属しているコミュニティの価値観や期待されているものを表現することが重視されることもあります。
そして、一人ひとりのアイデンティティよりも、その共同体との調和が求められる環境の中で、葛藤を感じながらも自分を押し殺してしまうこともあるでしょう。
そうして“自分らしさ”は見失われていくのです。
「俺の個性、殺す気か。」
―明石家さんま―
「何かを決意するときに、考えるべきことはただひとつ。
それが「わたし自身」を表現しているだろうか。
ということだ。」
―ニール・ドナルド・ウォルシュ―
誰かの考えが、いつのまにか自分になっていないか。誰かになろうとしていないか。
「こうであるべき」とする枠に、はめられて生きてはいないか。
そんなことを今一度、考えてみる必要があるときなのかもしれません。
現代ではSNSやインターネットが普及し、個人がアイデンティティを気軽に発信できるようになりました。
しかし同時に、さまざまなニュースやコメントなど、あらゆる情報が意図せずとも簡単に流れて込んでくるようにもなっています。
たとえば、望むと望まざるとに関わらず購買意欲を掻き立てられたり、いつの間にか興味の方向や考え方を誘導する導線に乗っていたり。
自分なりの価値判断の基準を明確に持っていない場合、知らぬ間に大多数の意見や報道の方向性、大きな目立つ声などに流されてしまうこともあるかもしれません。
ステータスとされることや評価される基準さえ、群集心理に基づいた時代の潮流に形作られている可能性もあります。
「周囲に惑わされず、自分の心に従いなさい。」
―ブッダ―
「自分らしくあれ。他の人の席はすでに埋まっているのだから。」
―オスカー・ワイルド―
「誰か」や「何か」、大きな「風潮」に、知らずのうちに組み込まれて生きていないか。
「周囲」の求める答えや、今の「世間」の常識、「社会」で良しとされることをするのが絶対に良いのだと、盲目的に信じ込んではいないか。
改めてそれを鳥の目になって考えてみると、また新しく見えてくるものもあるでしょう。
「変化するモノを基準として自分のアイデンティティを創ってしまうと、
必ず苦しむことになる。」
―スティーブ・ヴァイ―
「学校や職場で、変わろうとして疲れ、怒りを感じました。
変わったのに不安でした。自分の目的がよくわからず、自分が誰なのかもわからない。
他の人の意見を取り除いたら、自分はいったい誰なのか?
人の意見に合わせて自分を変え、認めてもらおうとした結果、不安が増えるサイクルはどこから来るのでしょう?」
―シャーラ・アリ―(看護学博士/TEDスピーチより)—
社会の中で生きている限り、私たちは色々な役割や考えを求められることがあります。
しかしそれは、人の心や時代の風潮のように、移りゆくもの・変化するものからきているかもしれません。
そういったものばかりに囚われてしまえば、「みんながそう言っているから」「今はそういうものだから」といった制限枠の中で、思考停止を余儀なくされ、流されてしまうことだってあるかもしれません。
私たちは多かれ少なかれ、自分の所属するコミュニティや人間関係の中で、尊重されることや愛情を与えられること、承認や肯定、共感などを心の奥で求めているでしょう。
それらを得たいがために、自分を押し殺して周囲に迎合することさえもあるほどに。
では、そこで質問があります。
あなたはそれを、自分自身に対して充分に向けてあげているでしょうか。
「あなたのおこなう行動が、ほとんど無意味だとしても、
それでもあなたはそれをやらなければなりません。
それは世界を変えるためにではなく、
あなたが世界によって変えられないようにするためにです。」
―マハトマ・ガンジー―
大切なことは、「私」はどう在りたいのか。
たとえ価値観を押し付けてくる環境や荒れ狂う時代の潮流の中であっても、「私」はどう生きたいのか。
どう生きて、どう笑い、どう動いて、何を生み出し、何を残したいのか。
誰と何を共有し、何を喜び、何をして生きる喜びを感じていたいのか。
それは、あなただけが知っていること。
世界中の誰も知らない、
唯一無二の自分の内側にだけ、静かにある答えなのです。
「際立つように生まれついたのに、
なぜ周りに合わせようとするの?」
―ドクター・スース―
「バラはひまわりになれないし、ひまわりはバラにはなれない。花はそれぞれが独自に美しいのと同じで、女性もそれぞれに美しいの。みんな自分の個性を大切にするべきよ。」
―ミランダ・カー―
右に倣えと言われて左が気になる人も、〇が良いと言われても□が輝いて見える人も、
1か2のどれかを選べと言われても1.5こそが良いのにと思う人もいるでしょう。
大多数に良しとされることよりも、他の人が見つけられない部分にオンリーワンの輝きを見出す人もいるはずです。
ウサギとカメの昔話なら、ウサギのような人もいれば、カメのようなタイプもいます。
仕事が速いけどそそっかしい所がある人、ゆっくりマイペースだけど着実に積み上げていく人。
どっちが良いとか素晴らしいとか、そういった話では無いもの。
大きな枠に当てはめたジャッジや大多数が求めることなどは関係なく、それぞれがそれぞれであって、そのまま素晴らしいはずなのです。
「みんな違って、みんないい」
―金子みすゞ―
この言わずと知れた名言の如く、本当は、一人ひとりが自分にしかない輝きを大切に生きて行っていいのです。
それぞれのアイデンティティや個性、生き方が、その人にしか訪れない一期一会の出会いや体験を招いてくれることでしょう。
そうしてその人の世界が広がり、内側は益々磨かれ、豊かになっていくのではないでしょうか。
「小さきは小さきままに
折れたるは折れたるままに
コスモスの花咲く」
―曻知三郎—
あるがままの自分で、自分らしく生きる。
そのためには、外側の声ばかりではなく、内側の声を聴くこと。
それがたとえ小さい声であったり、自信なさそうな響きをもっていたりしたのだとしても、それを聴き、受け取り、行動を変えられるのはあなただけしかいないのです。
「たとえあなたが何をしていようとも
それをしている自分を丸ごと愛してあげなさい。」
―タデウス・ゴラス―
【大内順加 プロフィール】
大内順子
1979年生まれ、二児の母。
心理カウンセラー/ライフコーチ・コミュニケーショントレーナー
大学では臨床心理学を専攻。大手広告代理店勤務を経て出産。育児中は認知行動療法を専門的に学ぶ傍ら、教育・育児関連のライター・在宅編集者に。ライフスタイルマガジン、情報サイトの記事企画・執筆、インタビュー取材、現地レポ作成なども行う。心理系コラム連載、日本アンガーマネジメント協会認定キッズインストラクターとしても活動する。
その後、認知行動療法、認知心理学・機能脳科学、ストレスマネジメントに関する書籍を3冊出版。(ペンネームは大内順加)心理系記事の監修もおこなっている。
現在は心理カウンセラーとして認知行動療法・スキーマ療法・ゲシュタルト療法・アドラー心理学をおもに用いた心理カウンセリングセッションのほか、ライフコーチとして認知心理学と機能脳科学に基づいた自己実現コーチングを提供中。
また、モチベーション&コミュニケーションスクール講師として、日本全国で企業研修やセミナーを毎月多数実施している。
◆ホームページ:カウンセリングルーム「きもちの居場所Utari」
➔https://juncoolo55.wixsite.com/website-1
◆ブログ:「きもちの居場所―幸せをつかむチカラ磨き―」
➔https://ameblo.jp/utari-atuy
◆書籍「人生を変える無意識の使い方―なりたい自分に必ずなれる!―」ほか
➔https://www.amazon.co.jp/dp/B08KDP7V56/
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