こんにちは、大内です。
年が明けて早くも1ヵ月。皆さんの2025年はどのようなスタートになったでしょうか。
嬉しいことや楽しいことばかりの毎日であればよいのですが、時には腹が立つことや、モヤモヤしてやり切れない思いを抱えてしまう日もあるでしょう。
社会の中で生きている限り、私たちは人間関係で悩むことも避けては通れません。
職場の人から言われたことだったり、家族や友人とのやりとりでネガティブな感情に振り回されてしまったりすることもあるでしょう。
仕事上、私のもとには批判や誹謗中傷をされて傷付いた人も多く訪れます。
「あれこれと批判する人が尊いわけではない。
実力者がなぜ失敗したのかとか、実行者はもっとうまくやるべきだったなどと、指摘する者が偉いわけではない。
賞讃されるべきは、その分野で実際に行動した者である。
あなたにできることをしなさい。今あるもので、今いる場所で。」
―セオドア・ルーズベルト―
「あなたの心が正しいと思うことをしなさい。どっちにしたって批判されるのだから。」
―エレノア・ルーズベルト―
「人々はあなたを嫌い、怒り、揺さぶり、そして壊すこともあるだろう。
しかしどれだけ強く立ち上がれるかが、あなたを作っていくんだ。」
―レブロン・レイモン・ジェームズ・シニア―
私たちは、人から批判されたり否定的な意見を言われたりすると、心が動揺して自尊心が傷付いたり、自信がなくなって落ち込んだりすることがあります。
特に、自分軸よりも他人軸に重きを置いている場合や、周りに認められ評価されることに価値を感じている場合、周囲の期待に応えるために頑張ってきた人ならなおさらでしょう。
「周りに自分の価値を証明し続けなければならない」と思っている成果主義の人なら、批判されることは自分の存在価値が揺らぐことにもなりかねません。
「多くの人が、他人の批判を恐れ、人生を台無しにする。」
―ナポレオン・ヒル―
他人の批判に振り回されてしまうのは、価値判断の基準が自分の中に無いからとも言えます。他人からの評価や承認に価値を求め続ける限り、それを得られなければ苦しみ、自己評価も下がるでしょう。
そこで批判でもされようものなら、自分がまるで価値の無いもののように感じられてしまうこともあるかもしれません。
「何をやろうとしても、あなたは間違っていると批判する者がいる。
絶えずあなたを何者かに変えようとする世界の中で、自分らしくあり続けること。
それがもっとも素晴らしい偉業である。」
―ラルフ・ウォルド・エマーソン―
人の価値観はそれぞれです。魔法でもない限り、相手の心や考え方を思うように変えることはできません。だからこそ、自分にとっては良かれと思ったことも、誰かにとっては批判の対象になるということもあるでしょう。
しかし、それは相手の領域です。
相手が何を感じ、どんな価値観で何を思うのも、相手の自由。
それを伝えてくるかどうかを決めるのも相手の自由です。
ただし、それを受け入れるかどうかは、自分が決めること。
人に何かを言われたからといって、無条件に受け入れなくてはならない訳ではありません。
「なるほど、それはあなたの意見ですね」「あなたはそう感じたのですね」という気持ちで、あくまでも相手の意見はひとつの情報として受け取るにとどめ、自分の心の内側に入れずに処理することもできるのです。
そして、建設的に乗り越えるために今自分ができること(自分の課題)に集中すること。
このような考え方をアドラー心理学では「課題の分離」と呼びますが、自分の領域と相手の領域の間には心理的境界線(バウンダリー)があり、それをお互いに踏み越えてしまわないよう尊重し合う。そのために自分のネガティブな感情は適切な処理をする。これが人間関係において重要なことです。
「人間は、怒りと寂しさの処理で人生を間違える。」
―加藤諦三—
相手が自分のことを心から思って言う建設的な批判であれば、受け止めて学びやプラスに変えれば良いでしょう。
しかし建設的な批判ではない場合、振り回されて落ち込んだり怒りに飲み込まれたりするのではなく、断固として自分の心の中に入れないと決めて受け流すのも一つの方法です。
私たちはネガティブな感情こそ、しっかりと見つめて適切な処理をすることが必要です。
なぜなら人間は、自分が抑圧した感情にこそ支配されてしまうものだからです。
「本物の憤りには必ず前向きな行動が伴う。
解決に向かわない憤りは、大体何かの代替行為。」
「怒っている人は何にでも怒っている。
許せていないのが自分自身だという事に、まだ気付いていない。」
―為末大—
私たちは時として、自分自身の好きではない部分を人に投影することがあります。
そしてその人に対して怒ったり批判したりすることで、自分の良心を慰めている場合があるのです。
「誰かの行動を批判したくて、気になってしょうがない。」という場合はこういった心の状態が奥に隠されていることがあります。
この場合、本当はその怒りや批判の対象は自分自身であることがほとんどです。
しかし本人は、それをなかなか認められません。というより、顕在意識で気付いていないことが多いのです。
そんな時は「自分がその人を批判せずにいられないのはなぜなのだろうか?」と考えることが大切です。
そう考えれば、その感情を持った理由が見えてくるはずです。
批判をされた時にも、深く傷ついたなら「なぜこんなにもつらい気持になるんだろうか?」と考えてみる勇気を持つこと。
もしかしたら傷付いたのは相手の言葉によってではなく、そう思っていた自分自身の心を言い当てられたからという場合もあります。心に抑え込んでいた不安を目の前に突き付けられて、恐怖が現実化したような気がしてしまったからかもしれません。
だとしたら、相手を恨むよりも、自分が自分自身を受容することの方が、先に向き合うべきことかもしれず、適切な処理方法なのかもしれないのです。
「恐れてはいけません。
暗いものを凝って見つめて、その中から貴方の参考になるものをおつかみなさい。
あなたが今、撒く種はやがて、あなたの未来となって現れる。」
―夏目漱石—
人は、自分が認めたくないものを認めることで成長します。
見たくないものもしっかりと見つめることで、適切な処理方法が見えてきます。
目を背けたくなるような感情にこそ、実はその後の人生を幸せにするために乗り越えるべき課題のヒントが詰まっていることも多いものです。
「私たちに起きる出来事は、たとえどれほど不快なことであったとしても私たちが成長するために必要だから起きるんだ。」
―リチャード・バック―
どんなことが起きても、それがその時にはただ苦しくつらいことであったとしても。
振り返る未来で、「あの時の想いがあったから、今の自分がある」と懐かしく笑えることにできるかどうかは、自分次第です。
「私の選んだこの生き方こそが、私を生かしてくれる道ではないか。
あれこれ迷わず、この選んだ人生をしっかりと励み、前進していこうではないか。」
―武者小路実篤—
できごとにどんな意味付けをして学びにするかは、自分の自由。
だからこそ、他人の評価ばかりに振り回されることなく、常に自分の内側と成長を見据え、未来の自分を笑顔にする選択をしてほしいと願っています。
【大内順加 プロフィール】
大内順子
1979年生まれ、二児の母。
心理カウンセラー/ライフコーチ・コミュニケーショントレーナー
大学では臨床心理学を専攻。大手広告代理店勤務を経て出産。育児中は認知行動療法を専門的に学ぶ傍ら、教育・育児関連のライター・在宅編集者に。ライフスタイルマガジン、情報サイトの記事企画・執筆、インタビュー取材、現地レポ作成なども行う。心理系コラム連載、日本アンガーマネジメント協会認定キッズインストラクターとしても活動する。
その後、認知行動療法、認知心理学・機能脳科学、ストレスマネジメントに関する書籍を3冊出版。(ペンネームは大内順加)心理系記事の監修もおこなっている。
現在は心理カウンセラーとして認知行動療法・スキーマ療法・ゲシュタルト療法・アドラー心理学をおもに用いた心理カウンセリングセッションのほか、ライフコーチとして認知心理学と機能脳科学に基づいた自己実現コーチングを提供中。
また、モチベーション&コミュニケーションスクール講師として、日本全国で企業研修やセミナーを毎月多数実施している。
◆ホームページ:カウンセリングルーム「きもちの居場所Utari」
➔https://juncoolo55.wixsite.com/website-1
◆ブログ:「きもちの居場所―幸せをつかむチカラ磨き―」
➔https://ameblo.jp/utari-atuy
◆書籍「人生を変える無意識の使い方―なりたい自分に必ずなれる!―」ほか
➔https://www.amazon.co.jp/dp/B08KDP7V56/
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